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相続発生後

相続手続きの流れとは|遺言書の有無別にやるべきことを解説

家族が亡くなった後の相続手続きは、遺言書があるかどうかによって進め方が大きく異なります。
本記事では、相続手続きの流れを遺言書がある場合とない場合に分けて解説します。

遺言書がある場合

遺言書があるときの相続手続きの流れを確認します。

自筆証書遺言・秘密証書遺言

自筆証書遺言や秘密証書遺言が見つかった場合、法務局における自筆証書遺言書保管制度を利用していたものを除いて、家庭裁判所での検認手続きが必要です。
検認とは、遺言書の形式や状態を確認し、偽造や変造を防ぐための手続きを指します。
検認を受けないまま遺言書を開封すると5万円以下の罰金が科される可能性があるため、見つけてもすぐに開封せずに家庭裁判所へ検認手続きの申し立てを行うことが重要です。
手続きには1か月以上かかることが多く、その後の手続きにも影響するため、早めに進めることが大切です。

公正証書遺言

公正証書遺言が見つかった場合、検認手続きは不要であるため遺言書の内容に従ってすぐに相続手続きを進めることができます。
遺言執行者が指定されている場合、遺言執行者が中心となって財産の調査や名義変更などの手続きを進めます。
一方で、遺言執行者が指定されていない場合は、相続人や受遺者が家庭裁判所に申し立てを行い、遺言執行者を選任してもらうことも可能です。

遺言書がない場合の流れ

遺言書がないときの相続手続きの流れを確認します。

相続人を調査する

遺言書がない場合、まずは被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本をすべて取得し、遺産を相続する権利を持つ法定相続人を確定させます。
法定相続人の範囲は、配偶者が常に相続人となり、子ども、父母や祖父母などの直系尊属、兄弟姉妹の順番で相続権が発生します。
相続人の調査には1か月程度かかることもあるため、可能な限り早めに取り掛かることが大切です。

相続財産を調査し財産目録を作成する

法定相続人が確定したら、被相続人が所有していた財産をすべて洗い出し、財産の内容や評価額などを一覧にした財産目録を作成します。
調査すべき主な財産の種類は以下の通りです。

  • 不動産や預貯金、有価証券、自動車、貴金属などのプラスの財産
  • 借金や住宅ローン、未払いの税金・医療費、保証債務などのマイナスの財産

相続方法を検討する

財産目録が完成したら、単純承認または相続放棄を選択します。
原則として、被相続人が亡くなったことを知った日から3か月以内の熟慮期間に判断しなければなりません。
ただし、相続人や相続財産の調査に時間を要する場合は、熟慮期間内に家庭裁判所へ申し立てることで3か月から6か月の延長が認められる可能性があります。

単純承認

単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべて引き継ぐ方法で、もっとも一般的なものです。
遺品を処分したり被相続人の口座から葬儀費用を引き出したりなどの行為や、3か月以内に手続きを何もしないケースでは、自動的に単純承認を選んだとみなされます。

相続放棄

相続放棄とは、相続人としての地位を放棄し、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がない方法です。
借金などのマイナスの財産がプラスの財産を大きく上回る場合に選択されることが多く、相続放棄が認められると、相続人ははじめから相続人でなかったものとみなされます。

遺産分割協議を行い遺産分割協議書を作成する

単純承認を選択した場合は、相続人全員で遺産の分け方を話し合う遺産分割協議を行い、協議がまとまり次第、遺産分割協議書を作成します。
1人でも欠けた状態での協議は無効となるため、相続人全員が参加できる環境を整えることが重要です。
全員参加が困難な場合は、オンライン会議で協議に参加してもらい、合意後に遺産分割協議書を郵送で回覧する方法があります。
送られてきた協議書に署名と押印を依頼し、発行から3か月以内の印鑑証明書を添付してもらうことで対応が可能です。

遺言書の有無にかかわらず必要な手続き

遺言書の有無にかかわらず、不動産の相続登記、預貯金の名義変更、相続税の申告という3つの手続きが共通して必要です。
相続登記は2024年4月から義務化されており、不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を完了させる必要があります。
預貯金は、各金融機関への申請により、被相続人名義から相続人名義へ移動させます。
また、相続税が発生する場合は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に申告と納付を行います。

まとめ

相続手続きは、遺言の有無によって流れが異なり、遺言がない場合は検認の代わりに相続人や相続財産の調査、遺産分割協議が必要となります。
戸籍謄本などの書類収集は手間と時間がかかるうえに、相続放棄は3か月以内、相続税の申告と納付は10か月以内などの期限も設けられています。
相続人や相続財産の調査に不安がある場合は、行政書士へ相談することも検討してみてください。