Knowledge基礎知識
相続の対象になるものとならないものとは?財産の種類を解説
家族が亡くなり相続手続きを進めるにあたって、被相続人が所有していた財産のうち、どこまでが相続の対象になるのか判断がつかずに困っている方は少なくありません。
本記事では、相続の対象になる財産とならない財産の種類について整理します。
相続の対象①不動産
被相続人が所有していた土地や建物は、相続の対象になる財産です。
自宅や別荘だけでなく、賃貸物件として他者に貸していた不動産や、共有名義の不動産における被相続人の持ち分も相続の対象に含まれます。
なお、不動産を相続する場合は、相続登記を行い相続人に変更する必要があります。
2024年4月から相続登記が義務化されているため、早めに対応することが重要です。
相続の対象②預貯金・有価証券
被相続人名義の預貯金や、株式・投資信託などの有価証券も相続の対象になる財産です。
各金融機関や証券会社に相続手続きを申請し、被相続人名義を相続人名義へ移動させる手続きが必要となります。
相続手続きを行うためには、各金融機関に対して残高証明書の発行を依頼し、被相続人が亡くなった時点での正確な金額を確認しておくことが重要です。
相続の対象③動産
自動車や貴金属、家具、骨董品などの動産も相続の対象になる財産です。
1つあたり5〜10万円を超える財産的な価値が高いものについては、財産目録に記載して相続人の間で分け方を話し合う必要があります。
価値の判断が難しい貴金属や骨董品については、専門の鑑定業者に評価を依頼することで正確な財産目録を作成することができます。
相続の対象④負債
住宅や自動車ローン、未払いの税金、連帯保証人の地位なども負債の対象になります。
負債は相続人がそのまま引き継ぐことになるため、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も漏れなく調査することが重要です。
負債がプラスの財産を大きく上回る場合は、相続放棄を検討することで相続人が過大な負債を抱えるリスクを避ける可能性が高まります。
相続の対象にならないもの①一身専属権
一身専属権とは、被相続人個人にのみ帰属する権利や義務のことで、相続の対象外です。
たとえば、生活保護を受ける権利や年金受給権、被相続人が締結していた雇用契約上の地位や扶養を受ける権利なども、被相続人の死亡によって消滅します。
一方で、賃貸借契約や金銭の貸し借りに関する権利義務などは、通常の相続財産として相続人に引き継がれる点に注意が必要です。
相続の対象にならないもの②祭祀財産
仏壇や墓地、位牌などの祭祀財産は、一般的な相続財産とは異なる扱いを受けるため相続の対象にはなりません。
祭祀財産は、相続人の間で分配するものではなく、祭祀を主宰する者が単独で承継するものとされています。
祭祀主催者には、故人の配偶者や長男、長女などが選ばれるのが一般的ですが、明確な規定はなく、親族間で信頼を置いているひとに任せることも可能です。
相続の対象にならないもの③香典や弔慰金
葬儀の際に受け取る香典や勤務先などから支払われる弔慰金は、相続の対象にはなりません。
香典は、葬儀費用の負担を軽くするために遺族へ贈られるものであり、社会的な慣習に基づき贈与として扱われます。
弔慰金についても、勤務先が遺族の生活を支える目的で支払うものであるため相続の対象外となります。
受取人によって扱いが変わるもの
生命保険金や遺族年金は、受取人の指定の有無によって相続財産としての扱いが変わるため、判断が難しいケースとして把握しておくことが大切です。
生命保険の扱い
生命保険金は、受取人が指定されている場合は受取人固有の財産となり、相続の対象にはなりません。
一方で、受取人の指定がなく、契約上、被相続人の遺産とするなどと記載がある場合や、受取人が被相続人本人になっている場合は、相続財産として扱われることがあります。
死亡退職金についても、受取人が指定されている場合は生命保険金と同様の考え方が適用され相続の対象外です。
ただし、故人が亡くなったことによって入るお金であるため、税法上はみなし相続財産として一定額を超える部分が相続税の課税対象に含まれる点に注意が必要です。
遺族年金の扱い
遺族年金は、遺族の生活を保障するために遺族自身に与えられる固有の権利であるため、相続財産の対象にはなりません。
被相続人が亡くなったことで初めて発生する権利であり、被相続人の財産を引き継ぐものではないため、相続放棄をした場合でも遺族年金を受け取ることができます。
専門家に相談するメリット
相続財産の中には、不動産や預貯金のように判断しやすいものだけでなく、生命保険金や祭祀財産のように扱いがわかりにくいものも含まれています。
財産の見落としや判断ミスがあると、後から遺産分割協議をやり直す必要が生じたり、相続税の申告漏れにつながったりするおそれがあります。
行政書士などの専門家に相談することで、被相続人の財産を正確に把握し、財産目録の作成や相続人の間で必要な手続きをスムーズに進めることが可能です。
まとめ
相続の対象になる財産には、不動産や預貯金、動産、負債があり、一身専属権や祭祀財産、生命保険金などは原則として相続の対象外です。
相続の対象になるのかどうかの判断が難しいときは、行政書士に相談することも検討してみてください。