相続不動産の分割
土地や建物などの不動産を複数の相続人で分割する場合、預貯金を分けるようにはスムーズにはいきません。不動産をすべて現金化する方法もありますが、先祖伝来の土地や現在の住まい、収入に直結する田畑などは簡単に手放せないものです。では相続不動産の分割には、どのような方法があるでしょうか。
「相続不動産の分割」の5つの方法とメリット・デメリット
1.現物分割
財産ごとに相続する人を決める方法です。
メリット
- 分割がわかりやすい。
デメリット
- 不動産ごとに評価額が異なるため公平に分割しにくい。
2.換価分割
相続不動産を売却して得た現金を分配する方法。土地を手放したい、手放してもよい場合に最適。
メリット
- 公平に分配されるので、後々トラブルになりにくい。
- 相続税を支払った場合、一定の期間内であれば取得費加算ができる。
デメリット
- 土地を手放さなければならない。
- 売却による譲渡税が発生する。
3.代償分割
相続人の1人が財産を相続し、残りの相続人に現金を分配する方法。相続人のうち誰かが、支払うだけの現金を持っているときに最適。
メリット
- 土地を手放さなくてよい。
- 公平に分配されるので、後々トラブルになりにくい。
デメリット
- 不動産を相続する相続人は、現金を捻出しなければならない。
4.分筆
1つの土地を複数の土地に分けて、複数の相続人に分配する方法。相続財産が高額で節税したいときに最適。
メリット
- 土地の分け方によっては土地の評価額が落ちるため、節税対策になる。
- 土地を手放さなくてよい。
- 公平に分配されるので、後々トラブルになりにくい。
デメリット
- 土地の分け方によっては土地の評価額が落ちてしまう。
5.共有
1つの土地を複数の相続人が共同で所有・管理していく方法。相続人同士の仲がとても良好で、後々のトラブルが考えにくいときに最適
メリット
- 土地を手放さなくてよい。
デメリット
- 土地の管理を巡り、後々トラブルになることがある。
- 土地を売却・賃貸する場合は、相続人全員の合意が必要になる。